薬機法(正式名称:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)の適用範囲は、

  1. 医薬品
  2. 医薬部外品
  3. 化粧品
  4. 医療器具

の4ジャンルを扱う広告が対象になります。
さらに、健康食品に関しては、医薬品レベルの効果があると謳うと薬機法の違反となります。
本記事では、薬機法の対象となる商品の定義や例、表現方法について解説していきます。

医薬品とは

医薬品とは、「病気の治療を目的」とした薬のことです。

医薬品の例

かぜ薬、鎮痛剤、鼻炎薬、目薬、整腸剤、下痢止め、便秘薬、発毛剤など

医薬品の定義

医薬品医療機器等法第2条では、医薬品は次のように定義されています。

1.日本薬局方に収められている物
2.人または動物の疾病の診断、治療または予防に使用されることが目的とされている物であって、機械器具、歯科材料、医療用品および衛生用品でないもの(医薬部外品を除く。)
3.人または動物の身体の構造または機能に影響を及ぼすことが目的とされている物であって機械器具、歯科材料、医療用品および衛生用品でないもの(医薬部外品および化粧品を除く。)
引用:食品の定義 医薬品の定義 - 厚生労働省

日本薬局方とは、医薬品の規格基準書のことです。
現在では第18版まで改正され、日本の医薬品の全てが記載されています。

医薬品に認定されるには、既定された試験をクリアしなければなりません。
参考:第十八改正日本薬局方案 通則・生薬総則・製剤総則・一般試験法

また、医薬品は副作用などのリスクが高く、取り扱いの重要度によって3つの分類がされています。

第一類医薬品 薬剤師のみ販売可能
第二類医薬品 薬剤師または登録販売者がいる場合のみ販売可能
第三類医薬品

医薬部外品とは

医薬部外品とは、主に「防止」「防除」を目的とした、緩やかな作用を及ぼすものです。
医薬品と違い、「治療」が目的ではありません。

厚生労働省が効果効能に有効だと認可した成分は、一定の濃度で配合されていることが条件です。
購入は、ドラッグストアなどの一般小売店で購入でき、医師の処方箋や薬剤師の助言等は不要です。

医薬部外品の商品例

医薬部外品は、目的によってさらに3つに分類されます。

指定医薬部外品 整腸剤、ビタミン剤、
のど清涼剤、栄養ドリンク
薬用歯磨き粉
(虫歯予防の歯磨き粉)
うがい薬
医薬部外品 薬用化粧品※
(美白効果、育毛効果系の育毛剤、薬用シャンプー、薬用クリーム)
デオドラント
(制汗剤・脇汗スプレー)
除毛剤、薬用入力剤、
肌荒れ予防クリーム
防除用医薬部外品 殺虫剤、殺鼠剤など

※通常の化粧品と区別するために、医薬部外品のスキンケア製品を薬用化粧品と呼んでいます。

 

医薬部外品の定義

「医薬部外品」とは、次に掲げる物であって人体に対する作用が緩和なものをいう。

  1.  次のイからハまでに掲げる目的のために使用される物
    (これらの使用目的のほかに、併せて前項第2号又は第三号に規定する目的のために使用される物を除く。)であって機械器具等でないものイ.吐きけその他の不快感又は口臭若しくは体臭の防止
    ロ.あせも、ただれ等の防止
    ハ.脱毛の防止、育毛又は除毛
  2. 人又は動物の保護のためにするねずみ、はえ、蚊、のみその他これらに類する生物の防除の目的のために使用される物(この使用目的のほかに、併せて前項第二号又は第三号に規定する目的のために使用されるも物を除く。)であって機械器具でないもの
  3. 前項第二号又は第三号に規定する目的のために使用される物(前二号に掲げる物を除く。)のうち、厚生労働大臣が指定するもの

引用:医薬部外品の定義

医薬部外品の薬機法表現

配合されている成分によって、効果・効能を表示することができます。

  • ニキビ・あせも・しもやけ・ひび・あかぎれを防ぐ
  • メラニンの生成を抑え、シミ・ソバカスを防ぐ など

劇的に治療効果があるかのような表現は禁止されています。

  • ニキビが治る
  • シミが消える
  • しわがなくなる

など

化粧品とは

化粧品とは、「体を清潔にする、美化する、魅力を増す、容貌を変える、皮膚や毛髪を健やか保つ」ことを目的とした製品で、医薬品・医薬部外品ではないものです。
医薬部外品と同じくドラッグストアなどの一般小売店で購入できます。

化粧品の定義

医薬品医療機器等法第2条第3項で、化粧品は次のように定義付けられています。

人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪をすこやかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。ただし、これらの使用目的のほかに、第一項(医薬品の定義)第二号又は第三号に規定する用途に使用されることもあわせて目的とされている物及び医薬部外品を除く。
wikipedia

化粧品の商品例

シャンプー、メイク化粧品、シャンプ、リンス、トリートメント、美容液、シミ対策クリーム、歯磨き粉、石鹸、香水、マスカラ、ネイルクリーム、リップクリームなど

化粧品で使用可能な56個の表現

化粧品は、薬機法で使用可能な表現が56個に限定されています。
これ以外の表現を使用することはできません。

化粧品の可能表現53個(タップして開きます)
(1) 頭皮、毛髪を清浄にする。
(2) 香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える。
(3) 頭皮、毛髪をすこやかに保つ。
(4) 毛髪にはり、こしを与える。
(5) 頭皮、毛髪にうるおいを与える。
(6) 頭皮、毛髪のうるおいを保つ。
(7) 毛髪をしなやかにする。
(8) クシどおりをよくする。
(9) 毛髪のつやを保つ。
(10) 毛髪につやを与える。
(11) フケ、カユミがとれる。
(12) フケ、カユミを抑える。
(13) 毛髪の水分、油分を補い保つ。
(14) 裂毛、切毛、枝毛を防ぐ。
(15) 髪型を整え、保持する。
(16) 毛髪の帯電を防止する。
(17) (汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする。
(18) (洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ(洗顔料)。
(19) 肌を整える。
(20) 肌のキメを整える。(21) 皮膚をすこやかに保つ。
(22) 肌荒れを防ぐ。
(23) 肌をひきしめる。
(24) 皮膚にうるおいを与える。
(25) 皮膚の水分、油分を補い保つ。
(26) 皮膚の柔軟性を保つ。
(27) 皮膚を保護する。
(28) 皮膚の乾燥を防ぐ。
(29) 肌を柔らげる。
(30) 肌にはりを与える。
(31) 肌にツヤを与える。
(32) 肌を滑らかにする。
(33) ひげを剃りやすくする。
(34) ひげそり後の肌を整える。
(35) あせもを防ぐ(打粉)。
(36) 日やけを防ぐ。
(37) 日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ。
(38) 芳香を与える。
(39) 爪を保護する。
(40) 爪をすこやかに保つ。
(41) 爪にうるおいを与える。
(42) 口唇の荒れを防ぐ。
(43) 口唇のキメを整える。
(44) 口唇にうるおいを与える。
(45) 口唇をすこやかにする。
(46) 口唇を保護する。口唇の乾燥を防ぐ。
(47) 口唇の乾燥によるカサツキを防ぐ。
(48) 口唇を滑らかにする。
(49) ムシ歯を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(50) 歯を白くする(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(51) 歯垢を除去する(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(52) 口中を浄化する(歯みがき類)。
(53) 口臭を防ぐ(歯みがき類)。
(54) 歯のやにを取る(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(55) 歯石の沈着を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(56) 乾燥による小ジワを目立たなくする。注1) 例えば、「補い保つ」は「補う」あるいは「保つ」との効能でも可とする。
注2) 「皮膚」と「肌」の使い分けは可とする。
注3) ( )内は、効能には含めないが、使用形態から考慮して、限定するものである。化粧品の効能の範囲の改正について

医療器具とは

医療機器の定義は、定義づけをしている国・地域の法令や規格によって異なります。

医療器具とは、人間または動物に対して疾病の診断・治療・予防を目的に使用される機械器具を指します。

生体に与えるリスクによってクラスⅠ〜Ⅳの4つに分類されています。
また、製造〜販売までを一つの企業が行うことができず、製造と販売を行う業者を分ける必要があります。

承認を受けていない状態では、効果効能を表示してはいけません。
承認は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)と厚生労働省のWチェックを行います。

参考:医療機器の薬事承認等について

医療機器には、装置そのもののハードウェアの他に、装置で使用するソフトウェア(プログラム)も薬機法の対象となります。

医療機器の商品例

MRI、レーザー治療機器、ペースメーカー、電位治療器、低周波治療器
電動マッサージ機、絆創膏、メガネ、コンタクトレンズ、AED、血圧計、体温計、補聴器、コンドームなど

健康器具や運動器具と呼ばれるトレーニングマシン、フィットネス用具などは医療機器には該当しません。

日本での定義(薬機法)

人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等であつて、政令で定めるものをいう。
wikipedia

国際的な定義

あらゆる計器・機械類、体外診断薬、物質、ソフトウェア、材料やそれに類するもので、人体への使用を意図し、その使用目的が、疾病や負傷の診断、予防、監視、治療、緩和等、解剖学または生物学的な検査等、生命の維持や支援、医療機器の殺菌、受胎の調整等に用いられるもの
ISO 13485 医療機器-品質マネジメントシステム-規制目的のための要求事項

まとめ

  • 薬機法が適応されるのは、①医薬品、②医薬部外品、③化粧品、④医療機器の4つ。
  • 医薬部外品は、含有する成分によっては、効果効能を表示してもよい
  • 化粧品は表示できる表現が53個に限定されている
  • 医薬部外品、化粧品で「治る」という表現、またはそれを想起させる表現を使用してはいけない
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